close



日本人と韓国人は遺伝的にはほぼ同じというデマ


インターネット上でのみ、日本人と韓国人は遺伝的にはほぼ同じという内容のデマが流れています。 集団遺伝学論文に基づくハッキリした証拠を示して、それらの情報が何らの根拠を有さない明確なデマに過ぎないことを示します。 集団遺伝学において、韓国人・中国人・日本人が、それぞれ遺伝的に異なる集団であることは、常識中の常識です。 何故、日本において、このような何らの根拠をも有さないデマが意図的に流されるのか?その理由の解明が是非とも必要です。私は、車の中でいつもYouTubeで音楽を聞くのですが、途中で広告が入り、その内容が、100%確実にプロの声で「日本人と韓国人は遺伝的にはほぼ同じ」ということを宣伝する内容であったことに驚愕しました。


韓国人遺伝学者が、日本人とは遺伝的には異なると明言しています

KoVariome: Korean National Standard Reference Variome database of whole genomes with comprehensive SNV, indel, CNV, and SV analyses
Jungeun Kim et.al, Nature 04 April 2018

Despite their close geographic proximity, the Korean population was shown to be genetically distinct from the Chinese and Japanese populations, highlighting the need for a Korean-specific variome to accurately identify rare disease variants in this population.
(英文趣旨)
地理的近接性にもかかわらず、韓国人集団は、遺伝的には中国人及び日本人とは遺伝的に異なっていることが(本論文で)示された。(以降は省略)

なお、この論文は、厳しい査読があり世界的に権威のあるネイチャー掲載論文です。
また、韓国人が中国人及び日本人とは遺伝的に異なっていること自体は既に知られていたのですが、この論文は全ゲノムシーケンスと呼ばれるヒトのDNA全てを分析し、かつ、韓国人サンプル数も多いことから、この論文によって韓国人が中国人及び日本人とは遺伝的に異なっていることが、確実であることが証明されました


Fst遺伝距離では韓国人は、日本人よりも中国人に近いのです

集団遺伝学では、Fst遺伝距離という集団間の遺伝的な距離を一つの数値で表す手法があります。韓国人遺伝学者による下記論文によれば、韓国人は日本人よりも北方系中国人に近いのです。

Genetic structure, divergence and admixture of Han Chinese, Japanese and Korean populations
Yuchen Wang et.al
06 April 2018

 The three smallest FST values are between north Han Chinese (CHB) and south Han Chinese (CHS) (FST[CHB-CHS] = 0.0014), between Chinese Dai in Xishuangbanna (CDX) and Kinh in Ho Chi Minh City of Vietnam (KHV) (FST[CDX-KHV] = 0.0024), and between CHB and Korean (KOR) (FST[CHB-KOR] = 0.0026). Genetic difference between KOR and Japanese (JPT) (FST[JPT-KOR] = 0.0033) is larger than that between KOR and CHB, but smaller than that between two Mongolian populations (Buryat Mongolian (BMON) and DU Mongolian in Qinghai (QHM) [6], FST[BMON-QHM] = 0.0053).

上に論文原文引用しましたが、韓国人と北方系中国人(CHB)のFst遺伝距離は、 0.0026であり、韓国人と日本人のFst遺伝距離は0.0033です。この数値は小さい程ほど遺伝的に近い関係にあることを示します。韓国人に遺伝的に最も近いのは、日本人ではなく北方系中国人(CHB)です。韓国人と北方系中国人(CHB)が遺伝的に最も近い関係にあることは、この論文以前にも知られていましたが、この論文で初めてFst遺伝距離が算出されました。

今、私たち日本人がするべきなのは、どの機関が又は誰が、何の目的をもって、このような明確なデマをかなりの費用を投じて、日本において流しているのか?という点の探求なのです。


父系の祖先を辿れるY染色体ハプログループ分析論文より

DNA分析が比較的可能になる前の20世紀末~21世紀初頭まで、ヒトの遺伝的分析は、父系の祖先を辿れるY染色体ハプログループの分類と母系の祖先を辿れる ミトコンドリアDNA分析が主流でした。

Y染色体ハプログループの分類では、日本人男性と韓国人男性は下図のように明確に祖先の約3分の一を異にしています。 一言で言えば、中国人男性と韓国人男性は、ほぼ同じですが、日本人男性は異なることが一目で明らかです

Analysis of whole Y-chromosome sequences reveals the Japanese population history in the Jomon period
Yusuke Watanabe et.al
Nature 17 June 2019



実は、上記の非常に明確な遺伝的な事実は、集団遺伝学では常識中の常識であり、非常に悔しいことなのですが、そのことを世界中の人々に知らしめたのは日本人ではなく、ハマーというアリゾナ大学 のY染色体ハプログループ分析の権威である集団遺伝学者です。(日本人起源に関する「二重構造モデル」と呼ばれ、最初の提唱者は人類学者の埴原氏であり、同氏は下記の有名な論文の共同著者です)

Dual origins of the Japanese: Common ground for hunter-gatherer and farmer Y chromosomes
Michael Hammer et.al
Nature 18 November 2005


母系の祖先を辿れるミトコンドリアDNA分析論文より

ヒトが有するDNAには、
①細胞核内にあるDNA(通常、DNAと言えばこの核DNAを意味します。cDNA)
②ミトコンドリアにあるDNA(mDNA)

の二つがあります。
①のDNAのバリアンツ検出の基準となるDNA配列は、実在の人間ではなく、比喩的に言えば「全人類の平均さん」とも言うべきDNA配列であり、何度も改訂されているため 例えば、(GRCh37/hg19)のように論文中で明記するのが慣例です。

これに対し、ミトコンドリアDNAは、ケンブリッジ参照配列と呼ばれるたった一人の実在のイギリス人が基準 となってしまっています。ミトコンドリアDNA分析論文は、データ量の少なさなどから分析しやすく、ほんの20年程前までは、集団遺伝学論文の主流であったのですが、現在(2022年10月)はそうではありません。

ミトコンドリアDNA分析論文・分析報告は、安達登氏に代表されるようにいくつもあるのですが。ここでは、日本最高の集団遺伝学者である斎藤成也国立遺伝学研究所特任教授(特任となっているのは、65歳を超えられたためであり、名誉教授ではなく現役です)が 20世紀初頭に日本語で書かれた論文を提示します。

一言で言えば、日本人・韓国人・中国人の母系祖先は、同じです。

遺伝子からみた東ユーラシア人
斎藤成也
地学雑誌 (2002 年 10 月 8 日受付,2002 年 12 月 2 日受理)



ミトコンドリアDNA分析でほ、中国人・韓国人・日本人は、ほぼ同じという結果が出ても 韓国人と日本人はほぼ同じで中国人は異なるという論文など絶対に存在しません、

この点が重要なのです。後述のように、全アジア人を対象に一塩基置換変異(SNPs) を分析した集団遺伝学論文では、日本人・韓国人・中国人は一塊を形成しますが、日本人と韓国人がほぼ同じで、中国人は異なるということは全然ないのです




日本人と韓国人の遺伝的な大きな相違を示す遺伝子座分析論文より

斎藤成也国立遺伝学研究所特任教授が書かれた古い論文では、「日本人と韓国人は遺伝的にはほぼ同じ」どころではなく、遺伝子頻度に着目した分析では、下記のような奇妙な結果がでています

Genetic Origins of the Japanese: A Partial Support for the Dual Structure Hypothesis
KEIICHI OMOTO1* AND NARUYA SAITOU



この点については、斎藤教授は一般向け著作の中で、
「血液型や赤血球酵素などの20遺伝子座の遺伝子頻度の情報から環太平洋地域を中心とする26人類集団間の遺伝的な近縁図を作成したものである。 オーストラリア原住民とパプアニューギニア人の二集団で構成されるサフールグループは見かけ上韓国人とグループを作っているが、それらがまとまっていることを示す横の枝の長さは極めて短く、むしろそれよりも、東アジアの6集団が遺伝的によくにかっていることの方に意味があると思われる」 (DNAからみた日本人 斎藤成也 p55)と解説しておられます

韓国人は、DNA中の核心部分といえるエクソン領域(=遺伝子)における頻度分布が、地理的に近いにもかかわらず、日本人・中国人と大きく異なる可能性が高いのです。

(記事筆者は、私です)

ですから、上記日本語論文の斎藤教授の分析は正しいでしょう。パプアニューギニア人は、早くから文化人類学者及び遺伝学者の注目を集めてきました。


一塩基置換変異分析(SNPs)論文より

一塩基置換変異分析(SNPs)論文は、ヒトのDNA全てを分析する全ゲノムシーケンス論文に比べ、比較対象SNPsを絞り込むことで「つまみぐい」できるので、大規模サンプルでも 全ゲノムシーケンス論文に比べデータ量が圧倒的に少なく、低コストで簡易に分析できるため、 非常に数多くの集団遺伝学論文が、出されています。このタイプの一塩基置換変異分析(SNPs)論文は、分析が正しいのであれば、通常は、主成分分析図(PCA)が 分析対象集団の地理的位置関係に概ね合致することが知られています。

このタイプの論文では、東アジア人のみを分析対象とした場合には、全ての論文で、日本人・韓国人・中国人・ベトナム人は非常に明確に別々の異なる「一塊の集団」であることが、 ハッキリと示されています。いくつも論文があるのですが、ここでは、国立遺伝学研究所のジーナム博士が筆頭著者であるnature掲載論文のみ紹介しておきます。 世界的にサイエンスと並んで非常に権威があり、厳しい査読を経て掲載された論文であることを念頭に置いてください。韓国人は、日本人よりも中国人に近くプロットされています

Unique characteristics of the Ainu population in Northern Japan
Timothy A Jinam, Hideaki Kanzawa-Kiriyama, Ituro Inoue, Katsushi Tokunaga, Keiichi Omoto & Naruya Saitou
Nature Published: 16 July 2015




日本語の表示は、私が加えましたが、一目瞭然で「日本人と韓国人は遺伝的にはほぼ同じ」などということは、何らの根拠を有さない明らかな嘘であることがご理解いただけると思われます


国際共同研究による集団遺伝学論文より

下図のように、同じアジア人でも、「日本人・韓国人・北方系中国人は、遺伝的にはほぼ同じ」です。しかし、上記のように、「日本人と韓国人は遺伝的にはほぼ同じだが、中国人とは異なる」 ことは絶対にないのです。

Characterising private and shared signatures of positive selection in 37 Asian populations
Xuanyao Liu et.al
European Journal of Human Genetics (2017) 25













韓国人による全エクソンシーケンス論文より

全エクソンシーケンスとはヒトのDNA全てを分析するのではなく、遺伝子だけを分析することであるとお考え下さい。韓国人による全エクソンシーケンス論文はいくつかあるのですが、 信頼性の高いネイチャー掲載論文から図を掲げておきます。

日本人・韓国人・中国人は、
①遺伝的には明確にそれぞれ別々の集団である
②概ね地理的な位置関係と合致しているPCA図である
の2点が重要です

Korean Variant Archive (KOVA): a reference database of genetic variations in the Korean population
Sangmoon Lee et al
Nature 27 June 2017






韓国人による全ゲノムシーケンス論文より

全ゲノムシーケンスとはヒトのDNA全てを概ね分析することであるとお考え下さい。サイエンスアドバンス掲載の論文から図を掲げておきます。

言うまでもなく、日本人・韓国人・中国人は、遺伝的に明確にそれぞれ別々の集団であるのですが、韓国人は日本人よりもずっと中国人に近くプロットされている点に注目してください。 私は、恐らくは、下の主成分分析図が日本人・韓国人・中国人の遺伝的な関係を最もよく示していると考えます。

Korean Genome Project: 1094 Korean personal genomes with clinical information
Science Advances 27 May 2020
Sungwon Jeon et al.



白人・黒人・ヒスパニックを含めて、主成分分析図を作成すれば、日本人・中国人・韓国人・ベトナム人は、非常に強い一塊を形成します。 一万年以上前に遡れば、日本人以外の東アジア人はほぼ同じ祖先であるため当然です。 下図は、同じ論文からです。



日本人・韓国人・中国人は遺伝的には完全に別個の集団であるという点について これ以上ないレベルでハッキリとした証拠があるのです。私たち日本人は、何故、かくも簡単に韓国人に騙されるのでしょうか?昨今の日本人女性のBTSブームを見るにつけ、 「もうこれ以上、韓国人どものに嘘に騙され続けるのはやめましょう」




















 

The following points are scientific facts of Korean DNA, indecating the uniquness of genetic structure.
1. Unusual high ratio of nonsynonymous variants compared with other population.
2.Strange distribution of minor allele of frequency and of Korean only variants.